この特集では、タイトルにもあるように量子物理の現状と今後の展望が、主要なテーマについて簡潔にまとめられており、量子論の歴史と現状及び将来を概観できる構成になっている。
量子力学といえば一般に欧州の専売特許のように考えられているが、実は日本の学者も基礎研究において大いに貢献しているという。筒井泉氏の「量子力学の基礎と日本からの貢献」というコラムでは、外村彰氏のグループによるノーベル賞級のAB効果の実証実験、小澤正直氏による不確定性関係の一般定式化が例として取り上げられている。
永長 直人氏による「量子と物理」では、今後はAIが物理学に浸透し、データ駆動サイエンスは大きな将来性を持つであろうとしている。AIの進化が世界に及ぼす影響は、まだまだ計り知れない。